飲食店を始めるのに資金はどのくらい必要?

日本政策金融公庫の調査によると、一般的に約1,000万円の初期投資が必要だそう。大半の方は金融機関などから借入れが必要になるでしょう。

 

まず物件の取得。家賃にばかり目が行きがちですが、敷金・礼金・保証金・各種手数料など様々な費用が発生します。居抜き物件の場合、造作譲渡料がかかる場合もあります。トータルでどのくらい費用をかけられるのか予算内で納められるよう全項目をチェックしてください。

 

次に店舗に必要な設備資金。内外装費用や看板施工費用、厨房機器費用や家具・食器費用などがかかります。

お店の規模、場所、居抜きでやるかなどによって変わりますが、いざ内外装工事を始めると、“もっと見栄えを良くしたい”や“動線上配置を変えたい”など変更点が出て、当初の見積もり以上にかかることがよくあります。着工中の変更はききやすいですが、完成後にやり直すとなると費用と日数のロスが甚大。長くお店の顔となる内外装、金銭面で妥協してあきらめるよりは、多少高くなっても納得のいくものを作ってもらいましょう。

 

また、看板は集客のためにとても大切なツール。コンセプトやデザイン性重視でいかれるお店は別として、ある程度幅広い集客を考えていらっしゃる飲食店は、見た目だけでなく“分かりやすさ”も大切にしてください。特に新規出店の場合、ネット上にもまだ情報が上がっていません。

店内が見えないBARや雰囲気のあるカフェ、和モダンな小料理屋さん…入ってみたいけどお高そう、なんて二の足を踏んだ経験ありませんか?どんなメニューを出すかのイメージと同じくらい大体の予算感を示すことも重要なんです。細かく書く必要はありません。一般的にみんなが頼むような基本のメニューをピックアップして、わかりやすく載せれば十分です。

家具・食器費用などは飲食店のコンセプトや内装によって費用が大きく変化します。事前に建築士さんや業者さん達と入念に打ち合わせしておくことで、目安の費用を把握しやすくなりますよ。

 

あと、皆さん口を揃えて予想以上にかかるとおっしゃるのが、人材募集の費用ですね。掲載費用の高さもですが、条件に合う人材はなかなかみつかりません。こればかりは運なので様々な媒体に複数回掲載する可能性を考え、予算と日数にかなり余裕を持たせましょう。また一般的にオープニングスタッフは3ヶ月以内の離職率が高いので、ある程度人数が必要な飲食店は予備費も考慮しておくといいかもしれません。

 

もちろんこういったベースの費用以外に、レジの導入やPC、ソフト関連、備品など様々な諸経費が発生しますし、事前に広告を打つなら販促費もかかります。そして忘れてはいけないのが、経営が軌道に乗るまでの予備費用。目安は賃料の10ヶ月分と言われますが、この10月から小麦・油脂・コーヒーなど多くの食材が値上がりしたように、運転資金がどのように膨らむかは未知数なので、ゆとりを持たせて確保しましょう。