Masako Blog
”気づき”のための問い
今は家にいてもお取り寄せで有名店の味が楽しめる時代。以前は手に入りにくかった食材もネットで買えることが増え、プロ監修のレシピを見ながら、自宅で本格的な料理やスイーツ、カクテルも作れるようになりました。その中でたまの外食に高いお金を払ってでも選んでもらえる飲食店になるにはどうしたらいいでしょう。コロナ禍でも高級・リーズナブルに関わらず、繁盛店、予約の取れないお店は存在します。そういうお店は、美味しいとか技術が凄いとか以外に、ちょっとしたサービスや心配りなど他と違うなと感じさせる何かが必ずあります。あなたのお店にそんな“何か”ありますか?
以前、私は腰痛に悩まされていました。週一回近所のスーパー銭湯に行って30分フットマッサージを受け、整骨院にも通うという生活。ある時お客様から良い温泉があるよと教えてもらい試しに通ってみたらこれが大当たり。通うこと三回目くらいから腰の痛みも治まり、頻度を週に一度に上げてからは整骨院に行かなくてもよいほど良くなりました。聞いてみると私同様に湯治目的で通う方が多いそう。
効能の素晴らしさを実感した上に、掃除も隅々まで行き届いており、スタッフみんなが感じよく対応が丁寧とくれば、勝手に宣伝したくなります。かつてお客様に教えていただいたように、今は私が頼まれてもいないのについつい「ここいいよ」なんて話題に出しておすすめしています。
今、飲食店探しの主流はグルメサイトからGoogle検索、Googleマップに移りつつあり、さらに検索のきっかけとなるのは周囲の人間やSNSでの口コミが大半だそう。グルメサイトの評価やランキングは信用しないという人の割合が75%なんていう調査結果もあります。人間の心理として、現実もしくはオンラインでの知り合いや信頼するインフルエンサーなど顔が見える相手の言葉をより信じやすいのは当然。
実際私の話を聞いて何人もがこの温泉施設に行くようになりました。飲食店も同じ。派手に広告を打つよりも、お客様自らが実感を伴った口コミを広げてくださる方がよほど宣伝効果があります。しかもお金も手間もかかりません。“誰かに教えたくなる”あなたのお店はそんなお店でしょうか?
集客イベント、色々ありますね。私が以前経営していたバーでは、年に二回ゴルフコンペをしていました。立地的にビジネスマンの客層でゴルフ好きな方が多く、集客のためというより皆さんに楽しんでいただくための企画でした。ただただお客様に喜んでもらいたい一心で準備したのですが、開催してみると、想像以上の効果が。一人参加のお客様同士が仲良くなったり、コンペ前後もその話題でカウンターのお客様達と盛り上がったり、それをきっかけにお仲間が増えて常連になる方もいらっしゃったり、友人に連れられて参加された方がバーにも通ってくださるようになったり…宣伝のチラシ配りをがんばるよりも、お客様自身が楽しめる何かを考えると自然と集まって常連になっていただけるのだなと実感しました。
その集客イベント、“お客様が自ら楽しめる”ものでしょうか?特別なすごい付加価値をつけるよりも、要所要所でツボを抑えて総合点を上げるのも簡単なようで意外とできないことです。
私は年齢的にも量より質重視、滅多に食べ放題のお店には行きません。でも一軒だけ、2〜3ヶ月に一度は通うお店があります。特別な高級店という訳ではなくCMでもお馴染みの大手チェーンの豚しゃぶのお店。でもここが私にとっては100点満点の食べ放題。なぜなら全てが客目線で使いやすくサービス設計されているんです。
まず、料金設定。大人・子供だけではなく、年齢によって金額が違います。例えば、祖父母(50代以上)と夫婦(中学生から49歳まで)子供(小学生)で行くとそれぞれ値段が違います。あまり量を食べられない年配の方も価格が違えば気兼ねなくみんなで来れますよね。
次に、料理の提供スピードがとても速いこと。飲み食べ放題でよく問題になるのが、時間制限があるにも関わらずなかなか商品が出てこず結果的に客側がぼったくられたような気分にさせられることです。でもこちらのお店は、どんなに混んでいても、待たされた記憶が一度もありません。
メインが美味しいのはもちろん、一品料理の種類も豊富で、そちらも食べ放題に含まれています。お財布を気にしてどれが単品?どれが食べ放題?なんて心配も不要。安心して好きな料理を堪能できます。チェーン店らしく、子供からお年寄りまでみんなが楽しめるメニュー構成なのですが、使用している食材に個性を出したり差別化の工夫もしっかりされています。季節のメニューもこまめに変わり、何度通っても飽きません。大手なのでスタッフ教育やクリーンネスなど基本的な所もきちんと行き届いています。
そして毎月1回届くLINEクーポン。ちゃんと“使える”クーポンが届きます。クーポンを送ってくるお店はたくさんあると思いますが、使用条件が細かかったり、適用範囲が限られていて結局使えない、なんてことがよくあります。ここのクーポンはとてもシンプル。お昼は10%割引、夜は5000円以上で1000円割引、など、難しい使用条件もなくとてもわかりやすいのでちゃんと“使える”のです。
元々コスパが良く美味しいお店な上に、“使える”クーポンがあると、食べ放題好きでもないのにせっかくだし行こうかとついつい通い続けています。割引やキャンペーンは集客のためのものですから、お店側の都合で条件をあれこれつけるより、お客様が使いたくなるような明朗なものがオススメです。 あなたのお店のサービス、本当にお客様ファーストでしょうか?
日々の業務に追われている経営者の方、一度時間を取ってご自身の目で現場を見ながら、今日の投稿の問いかけの答えを探してみてください。
“気づき”はお店を変える最初の糸口。